Your body, your life

NYのピラティス屋さんの呟き

2025-09-22

8月中旬、日本からニューヨークでの研修にいらしたピラティスの先生方とのセッションの機会をいただきました。クラシカル・ピラティスのセッションを、とのことで、私なりに教えさせていただいたのですが、皆様とても熱心で、楽しくて。

オンラインでも質の高い学びが得られるこの時代に、あえてニューヨークまで学びに足を運ばれる先生方の熱さ、私も刺激をたくさんいただきました。

(スタジオのオーナーが撮影してくれてました。Thank you!)

同時に考えさせられたのは、ニューヨークで学ぶ意義ってなんだろう?ということです。ちょっと振りかぶったテーマですが、自分の身近にあるゆえに客観視できてこなかった気がします。日本からの先生方の視点に刺激をいただきつつ、改めて自分なりに考えて、まとめてみました。

 


  

1つ目はやはり、ジョセフ・ピラティス(以後、ジョー)からの歴史を辿れる大先輩方が今もアクティブに教えていらっしゃること。この後にも関連してきますが、その方たちに出会い、学ぶ機会があり、長年の経験に基づいた教えを惜しみなく分けていただけるのは、ピラティスを学ぶ者として楽しいし、文字通り学びの宝庫です。

そして2つ目、これは日本からの先生方がおっしゃっていたことで、私は少し驚いたのですが、「クラシカル・ピラティス」を学べること。

クラシカル・ピラティスは、ジョーの死後、ニューヨークでスタジオを継承したロマーナ・クリザノウスカ(Romana Kryzanowska)が確立して遺したものなので、ニューヨークにはロマーナの系譜の先生がたくさんいらっしゃいます(私自身も始まりがこの系譜です)。

日本では教わる機会が少ないものではあるのですが、クラシカルの先生以外からは、むしろ批判的に捉えられることが多い気がしていたので、ポジティブに学びたいものとして取り組まれていることを知って、少し意外でした(でも、嬉しい!)。

ちなみに、ロマーナが “クラシカル”・ピラティスを確立したので、ロマーナ以外でジョーから教えを受けた人たちが継承したピラティスのことは「“コンテンポラリー”・ピラティス」と総称します。何人か先生がいるので、コンテンポラリーの中にはいくつかの系譜があり、ニューヨークで教え続けた先生たちも何人もいらっしゃるので、コンテンポラリーの先生方にお目にかかることもあります。

なお、このロマーナ+コンテンポラリーの継承者の先生方を総称して「ピラティス・エルダー(Pilates Elders)」と呼びます。誰をエルダーとするかは諸説ありますが、ジョーから指導することを直接許可されたとされる2人 キャシー・グラント(Kathy Stanford Grant)とロリータ・サン・ミゲル(Lolita San Miguel)、ハリウッドでピラティスを教え発展させたロン・フレッチャー(Ron Fletcher)、名前がついたエクササイズが今も行われているイヴ・ジェントリー(Eve Gentry)、ジョーと同じくドイツから来たキャローラ・トゥリエー(Carola Trier)、さらにメアリー・ボウエン(Mary Bowen)やジェイ・グライム(Jay Grime)などを含むことが多いと思います。

ニューヨークでクラシカル・ピラティスが身近だなと思うのは、コンテンポラリーの系譜の先輩方でも、クラシカルのエクササイズやそのオーダー(順番)は知っている場合が多いところです。最近お世話になっているキャシー・グラントに師事した先生とも、クラシカルのエクササイズをベースにして、違う動きをしてみたりその理由を話し合ったりしていくので、逆に違いや良さをより感じることができているように思います。

そして3つ目、私自身が最近実感しているのが、ピラティスが生まれた土地だけに、ピラティスの歴史や物語が肌感覚として近くにあることです。

エルダーたちから直接指導を受けた人たちから「彼はこうやって教えていた」とか「彼女はこれがお気に入りだった」などと聞くと(時々「あの人とはあまり気が合わなかったらしい」とかゴシップも聞いたりしますけど・笑)、系譜に関係なく、ピラティスというものが四角四面だったり平面的だったりではない、立体的で躍動感のある、そこにいた人たちの息づかいを感じられるものとして立ち上がってくる気がします。

それは、知識として役に立つというよりも、思いがけない方向からエクササイズに対する理解が深まったり、それによって自分の中で少しだけ教え方が変化したり、という感じです。一気にゴロっと変わるというよりも、ちょっとこんがらがっていたものが解けるような、少し視界が開けるような。でも、時々、ピラティスに対する向き合い方や今後のあり方、未来にどうやってピラティスを伝えていこうかな?なんてことを考えるきっかけになったりすることもあります。

ピラティスを教えることは、ジョーが生み出したメソッド(「コントロロジー」)について研鑽を深め、それぞれが目の前の身体のお役に立つことなので、世界中で誰もができること。ただ、大先輩方(エルダーたち)によって伝えられ、渡されてきたバトン(いろんな系譜)の中に「ピラティス」があるので、先輩方の頭の中はもちろん、エクササイズやら、マシンの名前(の変遷)やら、街の中のとある場所やら、いろいろなところの間にピラティスに関する記憶の断片みたいなものが落ちているような気もしていて、それを垣間見る機会が多いのが、ニューヨークという街なのかなと思います。だから私は、色々な先輩方のセッションに通い続けているのだろうなとも。

そんなニューヨークの景色と息吹をどこかで取り込んでいる私なりのピラティスを、英語だけではなく、日本語でも少しでもお伝えできているとしたら、とてもとても幸せです。

ニューヨークでピラティスを🗽
http://www.typilatesnyc.com

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日本人インストラクターによるニューヨークのピラティススタジオ
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