今、我が家の、小さなブルックリンのアパートには、壁に立てかけられたリフォーマーのフレームがあります。
その前にリフォーマーのボックスと諸々の部品。キャリッジとジャンプボードはベッドの横。
普通に考えると、なかなか不思議な光景ですが、不思議としっくりきています。
どうしてこんなことになったのかというと──。

以前から、良い中古のリフォーマーがあったら買いたいと思っていました。
でも、大きな買い物です。
欲しいモデルが市場に出るタイミングも限られるし、それが自分で取りに行ける距離とは限りません。
仮に見に行けたとしても、その場で状態や価格を判断して即決できる自信もありませんでした。
そんな理由から、「いいな」と思うマシンが出ても、「いつか…」と見送ることがほとんどでした。
でも今年、日本への帰国を決めた頃から、その「いつか」が少し現実味を帯びてきました。
東京では、自分のスタジオを開きたいし、せっかくなら、自分が信頼できる古いGratz社のリフォーマーが欲しい。
そう思っていたところに、私が働いていたスタジオがクローズする、という話が出てきました。
数ヶ月前にも、同じオーナーが持っていたスタジオがクローズしたのですが、そこで評判が良かったGratz社のリフォーマーは売られませんでした。
でも、今回は、スタジオ自体を閉めることになり、オーナーが全てのapparatusを売りに出すことにしたのです。

「ついに来た。」
ずっと「いつか」と思っていたものが、急に現実になった瞬間でした。
実際に使ったことがある信頼できるマシンで、知っている人から直接買うことができる。標準の86インチだし、Vinylの色も黒。問題は何もないはず。
正直、それでも迷いました。
(古いものが良いものだというけれども、なんだかんだ長期的に見たら、新しいものを買った方が確実なのかな・・・?)
(Gratz社のものじゃなくても、かなりフィールが似通っていて評判の良いメーカーは他にもあるのに、安くはないGratz社の古いマシンにこだわる必要、そんなにある?)
(日本に帰ってからそれなりに信頼できるメーカーから買っても、トータルでかかる費用としては安いくらいなんじゃない?運ぶ手間も、置いておく場所も、引越し費用に含める必要もなくなるよ?)
などなど。
でも、欲しいとずっと思っていたものを買わないで後悔するのも嫌だな、という気持ちが強くありました。
オーナーも「Tomokoに買ってもらえたらうれしい」と言ってくれました。もし将来手放すことになったとしても、Gratzなら買い手はきっと見つかる。
さらに、私が信頼している、Gratz社のマシンしか使わないという大先輩のインストラクターが、そのマシンは良いものだと太鼓判を押してくれました。これが大きかった。
それで決めました。
初めての、自分のリフォーマー。
買うまででも十分長い話でしたが、本当の冒険はここからでした。
まだこの時は、寝室にリフォーマーのフレームが立つことになるなんて、想像もしていませんでした。
