Your body, your life

NYのピラティス屋さんの呟き

2024-02-03

アメリカでは毎年2月がBlack History Monthです。これまで十分に語られてこなかった黒人の人たちの歴史を見直し、未来に向けたアクションとしようという月間。ホワイトハウスからも談話が出ています。

ピラティスが、ピラティスメソッドを作り上げたジョセフ(ジョー)・ピラティス氏の名前だということはご存知の方が多いかな?ドイツ人で1960年代にアメリカに移民し、ニューヨークでスタジオをオープンしました。

そのピラティス氏から直接教えを受けた代表的な人びとを「エルダー」と呼んでいます。その1人が、キャシー・グラント(Kathy Grant)。フルネームは、Kathleen Stanford Grant。彼女はエルダーの中で唯一の黒人の女性でした。

尚、ジョーから直接「認定」されたエルダーは2人とされていて、1人がキャシー、もう1人がロリータ・サン・ミゲル。ロリータはプエルトリコ出身のラテン系の女性。

ピラティスを作った人、そして受け継いできた人たちの大多数が白人であることを考えると、少し不思議な偶然です。でも、だからこそ、記録に残し、その足跡を辿ることがすごく大切だと思います。

キャシー・グラントは1921年生まれ。ボストンからダンサーを目指してニューヨークに来て、人種差別のまだ激しいアメリカでブロードウェイデビューを果たし、ダンサーとして国内外で活躍するものの、膝を怪我したことでピラティスに出会います。ピラティススタジオでジョー、そしてカロラ・トリエとともに教えた彼女ですが、有名なのは、その後、ニューヨーク大学(NYU)のダンス専攻の生徒向けに30年以上ピラティスを教えてきたこと。私の同僚でも、学生時代にキャシーからピラティスを教わった人が何人かいます。

ちょうど先日、キャシー・グラントの弟子の1人だった、ブロッサム・クロウフォードのワークショップを受けましたが、彼女もキャシーとの出会いはNYU。ワークショップ終了後の雑談でキャシーの晩年についての話を聞いたりもしました。

ニューヨークにいることで、いまだにエルダーたちのこぼれ話を聞いたりできるのは、本当に貴重な経験だと思っています。

今年のBlack History Monthは、アートがテーマだそうです。でも、ホワイトハウスの談話にもある通り、健康や教育の差別も大きな課題。全て網羅することはできないけど、まずは自分の足元から。改めて、キャシー・グラントの痕跡を辿ってみようと思っています。

*著作権をクリアしている写真がどれかがわからなかったので、ここにはウェブ上にあるキャシー・グラントの写真は掲載しません。下に貼ったのは、ピラティスマシンのメーカーBalanced Bodyが作っているウェブサイト「Diversity in Pilates(ピラティスに多様性を)」の中にあるキャシー・グラント紹介ページのトップ部分です。クリックするとページに飛ぶことができます。このページに紹介されている、キャシー・グラントから学んだ1人 Cara Reeserによる紹介ビデオがとてもわかりやすいのでおすすめです。ピラティス以外の活躍にも触れられていて、とても勉強になりました。

またはKathy Grantで検索すると、ブロッサムの作っているウェブサイトKathy Grant Pilatesなどが出てきます。ご参考まで。

ニューヨークでピラティスを。
http://www.typilatesnyc.com
🗽

No comments on Black History Month:ピラティスエルダーの1人 キャシーグラント

日本人インストラクターによるニューヨークのピラティススタジオ
日本人インストラクターによる
ニューヨークのピラティススタジオ
Newsletter
ニュースレター購読でどこよりも早く情報をお届けします
ニュースレター購読でどこよりも早く
情報をお届けします